読書、そしてクリスマスの想い出
2023.12.25 14:30
男女問わず、気になる人がいたら「あの人はどんな本を読んでるんだろう」と思う。
という話を料理を生業にしている妹にしたら「私は何食べてるかが気になる」と言っていました。
考えてみれば当たり前ですが、なるほど他人への気になるポイントも自分の趣味が投影されているんですね。
私が本を好きになったきっかけは、4歳か5歳の頃。
クリスマスの日、家にいると外から鈴の音が聞こえてきました。
「さやちゃん見てきて」と言われ玄関の戸を開けると、雪の中に、絵本をいっぱい詰めた木箱を持ったサンタクロースが立っていました。近くにあった本屋さんのサービスだったそうです。
それまでも本は読んでもらっていたとは思いますが、このプレゼントが「私の本」と明確に意識した最初の体験です。
次の転機は小学4年生の頃。ミヒャエル・エンデ「モモ」との出会い。
おやすみ〜と襖を閉めた母の気配がなくなると、こっそりもう一度電気をつけて読み耽っていました(もちろんバレてました)。人生で初めて「こんなに面白い物語があるなんて!」 と興奮しながらの読書でした。
今もちょうどエンデを読んでいます。
「ものがたりの余白」
訳者兼友人による、晩年のインタビュー集。
創作の原点になった、イタリアのパレルモの街中で見た語り部の描写がとても美しいです。そこで語られていたような、修飾し、はてしなく、数えきれない続編をなして語り続けられるものを書きたいと決心した、と。確かにどの国でもメルヘン・昔話はそうやって受け継がれていきますよね。
ジャンルに限らず、読後に世界がいままでと違う見え方をする本があります。そういう読書は、私にとってはものを作るのと同じくらいの愉しみと意義があります。
そしてまだ出会っていない、私がいつか大好きになる本が、今も本屋や図書館の棚にひっそりとささっていることを思うとわくわくします。
デザインからご依頼の場合は、影響を受けた本のお話などもしてもらえると、より依頼主さんへの理解が深まりそうですし、何より私が楽しいと思います! 気が向いた方は是非お願いします。
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